Sound Treater 説明書

はじめに

SoundTreaterは2ch×3Bandsのグラフィカルパラメトリックイコライザーです。

触ってみればかんたんに理解できる操作ですが、押し回し等の動作はあまり慣れないかと思いますので、このサイトをブックマークしていつでも確認できるようにとネットマニュアルという形式にしました。

電源の相性について

現在のところ、電源にVital Audio VA-08を使用された場合、電源が落ちる、ピューロロロというノイズが混ざるなどの現象が判明しております。
推奨電源としてAD-9V/2Aをおすすめいたしますので、出来る限りこちらをご使用ください。

3つのモード

電源を入れるとき(DCジャックを挿すと電源ONです。)に、右フットスイッチを踏みながら電源をONすると、モードが切り替わります。

モード見分け方説明
NORMAL MODEL入力Lが出力L,入力Rが出力R
6 band MODEL→入力LがLch→Rchと通過して出力LRへ
入力Rは無効。
MIX MODEL+入力LがLchを通り出力LRへ。
入力RがRchを通り出力LRへ。

ステレオ、デュアルとしてだけではなく、モノラルとしても使えますのでその場合は6 band MODEが便利です。
MIXモードはパラレルでEQしてLRミックスとして出力できますのでミキサーとしても利用可能です。

電源ONのロゴ表示の際、STORED!と表示されればモード切替成功です。

まずは使ってみよう!

※以降、ノーマルモードで説明しますが、操作については全モード共通です。

それでは、理解する実験として、まずはLeft in(入力L。以降Left inで統一します。)に楽器、Left Outにアンプ、ミキサー、後段のエフェクターなどを接続しましょう。
同様にRight in 、Right Out にも接続しましょう。
その後電源を入れます。

モードが切り替わっている場合は、ノーマルモードに設定してください。

右フットスイッチは、バイパスとEQ ONの切り替えです。
ONの状態では上段中央の赤いLEDが点灯します。

各ノブには横書きで書いてある機能と、縦書きで書いてある機能があります。

Select,L⇔RGain,HighFreq,LowQ,Curve(Push),Mid
回す1ずつバンク切り替え0.1ずつゲイン増減10ずつ周波数増減0.1ずつQ増減
押し回す10ずつバンク切り替え1ずつゲイン増減100ずつ周波数増減カーブモード切替
短く押すL⇔R切り替えハイに切り替えローに切り替えミドルに切り替え
長押し記憶(点滅したら回転させて
バンクを決定して短く押すと
アサインされます)
レベルに切り替え
回転させて短く押すと決定
レベルに切り替え
回転させて短く押すと決定
レベルに切り替え
回転させて短く押すと決定

表にするとわかりにくいかもしれませんが、実際に触ってみてください。直感的に使えます。

注意点がいくつかあります。
※同じバンクのLとRは、同時に記憶されます。
※L⇔Rの切り替えをしても、一時的に保存されています。
※記憶前に、バンクを切り替えると記憶前の状態はキャンセルされます。
※記憶のためにSelect,L⇔Rを長押しした後のキャンセルはできません。使っていないバンクに一旦記憶してください。

Favoriteモード

Sound Treaterには100のバンクがあり、会場や曲、機材に応じて多くの設定を記憶させることができます。

しかし、実際のライブなどの現場では、よく使うバンクを一瞬で呼び出したい場面がありますね。

そこで左フットスイッチ、Favoriteスイッチの使い方を覚えましょう。

Favoriteスイッチの設定

Favoriteモードには、FavoriteA、FavoriteBの2バンクを記憶させることが可能です。

1.SelectノブでFavoriteに記憶させたいバンクに合わせる。
2.Favoriteスイッチを長押しする。
3.上段左右の青いLEDが交互に点滅するので、記憶させたい方が点灯している瞬間にFavoriteスイッチを離す。

これで記憶されます。

※踏み間違えを防止するために、Favoriteを1つしか記憶させる必要がないときは、ABそれぞれ同じバンクを記憶させておくと便利です。

使ってみよう。

使い方はかんたんです。
どのバンクにあるときでも、Favoriteスイッチを踏めば、A⇔Bが交互に切り替わります。
このときONになっているほうの青いLEDが点灯します。
Favoriteに記憶させていないバンクを使用するときはSelectノブを回せばOKです。

※FavoriteのLEDが点灯しているとき(つまりfavoriteに記憶したバンクが呼び出されたとき)、バンクはそのバンク番号が表示されます。

カーブモードについて

Sound Treaterには、OFFも含めると4つのカーブモードがあります。

  • Normal 指定した周波数を中心にブースト、カットする。
  • Lo-Shelf 指定した周波数をカットオフ周波数としてそれより下の帯域をブースト、カットする。
  • Hi-Shelf 指定した周波数をカットオフ周波数としてそれより上の帯域をブースト、カットする。
  • Off そのバンドを使用しない。

使用できるカーブモードは以下のとおりです。

LowMidHigh
Normal
Lo-Shelf
Hi-Shelf
Off

LO-Shelf、Hi-Shelfに関しては、Qが高すぎるとカットオフ周波数より内側が逆に作用しますので、自然なかかり方としてはQ = 0.7程度にされることをおすすめします。

使い方Tips

便利な使い方や、よくある質問についてまとめます。

現在記憶しているバンクをコピーしたい

例としてBANK01をBANK20にコピーしてみます。

  1. バンクを呼び出す ex)BANK01を呼び出す。
  2. Selectノブを長押しする。ex)01が点滅し、上部に「SELECT BANK」と点滅します。
  3. Selectノブを回しコピーしたいBANKに合わせる。 ex)BANK20に合わせる。
  4. Selectノブを短く押す。ex)20の部分が点滅から点灯に変化し、上部に「BANK STORED!」と表示される。

これで完了です。

ブースターとして使うとき

Sound Treaterは、周波数特性がフラットな上にボリュームを内蔵し、かつ周波数をいじれるわけですので(イコライザーなので当然ですが)、良質なブースターとしての活用もできます。

そのための予備知識を少しご紹介します。

一定の音量音の1000Hz(1KHz)の音と、同じ音量に感じる音量を周波数ごとに調べて、それを点で結んでできる曲線を等ラウドネス曲線といいます。

詳しくはリンクをご覧いただければおわかりいただけるかと思いますが、音量によって、1kHzの基準からみて、例えば周波数特性がフラットな音を聞いたときに、音量が小さいときは低音が聞こえにくく、音量が大きくなればフラットに近づきます。
また4kHzあたりが人間には一番聞こえやすく、この部分をブーストすることで目立つ音、抜ける音になります。
自由自在にあなたの音を作ってください。

2周回す使い方

エレキギターやベースのプレイヤーに多いのが、コンパクトエフェクターの多段直列ですね。

例えば

ワウ→EQ→歪み→EQ→コーラス→ディレイ→リバーブ

など、組合わせは様々です。

あるエフェクターの前にEQをかける場合と、後ろにEQをかける場合は、音色やかかり具合に変化がありますが、どちらも採用するとEQが2個必要になりますね?

そのような場合、Sound Treaterはステレオ仕様ですから「モノラルEQが2個」あるのと同じなのです。つまり先程の例だと

ワウ→Sound TreaterのLch→歪み→Sound TreaterのRch→コーラス→ディレイ→リバーブ

このようにすることで、スペースと消費電流、費用がカットできます。

ファクトリーリセット

設定を全部消したい!!というときの技です。

電源OFF→左フットスイッチと左上(Freq)ノブを押しながら電源ON!!

これで完全にリセットされます。
※もとに戻せませんので慎重に。

仕様

電源 DC9Vセンターマイナス400mA
AD-9V/2Aを推奨いたします。

Input Left,Right(6 bands MODEではLeftのみ) 
Output Left,Right(モードによりパラレルorステレオ)
BASS FREQ 40~1000 Hz
MID FREQ 200~3000 Hz
HIGH FREQ 1000~20000 Hz
Q 0.1~9.9
GAIN ±15dB
LEVEL ±40dB
バイパススイッチ
Favoriteスイッチ
Faviriteモード数 2
BANK数 100(00-99)
サンプリング周波数 96kHz

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